熱帯魚を飼育する際は、照明設備をはじめエアレーションなどといった設備機器を導入する必要があります。そのため、維持管理の際に電気代の負担がかかります。中でも水槽ヒーターは消費電力の負担が大きい設備です。
そこで今回は、水槽ヒーターの役割や必要性、消費電力量や計算方法、電気代を節約する方法について詳しくご紹介します。
目次
水槽ヒーターとは?
水槽ヒーターは、水槽の中に貯められている水を加熱する装置を指しています。熱帯魚は水温22℃~30℃の熱帯地域に生息しているため、日本の環境では生きていくことが難しい状況です。そのため熱帯魚を飼育する時は、水槽ヒーターで水槽内の水温を22℃~30℃へ温める必要があります。
なお、水槽ヒーターは、サーモスタット一体型と別売り型、温度固定式ヒーターの3種類に分けられています。サーモスタットは、水温の感知と自動操作といった機能を持った装置です。たとえば、指定した温度に達したら自動で加熱オン・オフしてもらえます。
水槽ヒーターはなぜ必要?
熱帯魚や金魚を飼育したり水草を育てたりするには、一定の水温を保つ必要があります。しかし、日本は、熱帯地域と異なり季節によって気温が大きく変わりますし、水温も20度から0度へ変化します。このような環境は、熱帯魚など一定の温度を保たなければいけない生き物や植物に適していません。そのため、水槽ヒーターで常に水温を安定化させておく必要があります。
つまり、水槽ヒーターは、熱帯魚などを育てていく上で特に重要な装置の1つです。
水槽ヒーターの消費電力はどれくらい?
水槽ヒーターの消費電力は、ヒーター容量によって変わります。
以下に水槽ヒーターの消費電力とサイズ、水容量の関係について紹介します。
水槽サイズ | 水容量/L(約) | ヒーター容量/(W) |
---|---|---|
超コンパクト水槽 | 4L | 10W程度 |
コンパクト水槽 | 8L | 20W程度 |
Sサイズ水槽 | 10Lから12L | 36W程度 |
Mサイズ水槽 | 15Lから18L | 55W程度 |
Lサイズ水槽 | 20Lから23L | 80W程度 |
45cm水槽 | 35L | 120W程度 |
60cm水槽 | 57L | 160W程度 |
90cm水槽 | 150L | 300W程度 |
120cm水槽 | 205L | 300W程度のヒーター2台 |
超コンパクト水槽と120cm水槽では、ヒーターの消費電力10倍以上の差が生じています。一般住宅では60cm程度までの水槽が用いられているので、水槽1台あたり160W程度の消費電力と仮定しておくと、水槽の維持費用をシミュレーションする上で役立ちます。
水槽ヒーターの電気代を算出する方法
水槽ヒーターの電気代は、1時間の消費電力(kW)×設備の使用時間×電気料金単価(円)で求められます。
たとえば、10Wの水槽ヒーターを24時間使用、電気料金単価25円と仮定すると、1日あたりの電気代は6円程度です。
これから水槽ヒーターを導入する方はもちろん、既に水槽ヒーターを導入していて1日あたりの電気代を把握していない方は、この機会に計算してみてはいかがでしょうか。
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水槽ヒーターの電気代を節約する方法は?
最後は、水槽ヒーターの電気代を節約する方法を3種類紹介します。
暖かい部屋に水槽を置く
これから水槽を設置もしくは設置場所を変更できる場合は、可能限り暖かい部屋に設置するのが大切です。
水槽ヒーターの使用頻度を抑えたり温度設定を抑えたりするには、水温の下がりにくい環境に水槽を設置する必要があります。つまり、暖かい部屋やエアコンのある部屋などに水槽を設置すれば、水槽ヒーターの電気代を節約できますし熱帯魚にとっても良い環境です。
断熱シートや天板を使って保温する
暖かい部屋に水槽を置いても冬場は、春や夏より気温が低下してしまいます。水槽に断熱シートを設置しておくと、保温効果を高めることが可能です。
断熱シートを使用する時は、水槽を囲むように設置したり天板に乗せたりしておくのがポイントです。断熱シートがない場合は、保温シートや発泡スチロールで代用できます。
水槽のサイズに合うヒーターを選ぶ
水槽ヒーターの電気代を抑えるには、水槽に合ったヒーターを購入・設置するのも重要です。
横幅60cmなどの大きな水槽に小型水槽向けのヒーターを設置してしまうと、いくら加熱しても水槽全体を温められませんし、設定温度に達せずいつまでも稼働させてしまいます。
水槽のサイズに合ったヒーターを設置できれば、素早く設定温度まで加熱できかつサーモスタットによる加熱オフ機能で消費電力量を抑えられます。