ガラス製水槽は「傷が付きにくい」「高級感がある」という長所があるものの、「重い」「割れやすい」「一体成型しにくい」「オーダー(水槽の高さ)に制限がある」という短所があります。
一方アクリル水槽は「軽い」「割れにくい」「一体成型しやすい」「オーダーに高さ制限がない」というガラス製とは反対の長所があり、「傷付きやすい」という短所もあります。

目次

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水槽の選び方(アクリルとガラスの違い)

アクリル製水槽の特徴

アクリル製水槽は、衝撃に強く軽くて丈夫なのが特徴。透明度もガラスに比べると高く、アクアリウムの美しい様子を存分に楽しめます。そのため、インテリア水槽に向いていると言われていますが、その反面傷付きやすい傾向があるため、お手入れが必須と言えるでしょう。

アクリル製水槽のメリット

  • 軽くて衝撃に強い
  • 透明度が高く、中の様子や魚の美しさが分かりやすい
  • 加工がしやすいので、特殊な形状の水槽を造ることも可能

アクリル製水槽のデメリット

  • 表面に傷が付きやすく、紫外線に弱い
  • 経年劣化によって透明度が下がる傾向があり、膨張しやすい

ガラス製水槽の特徴

対してガラス製水槽は傷が付きにくく、直射日光に当たっても変形しにくい傾向があります。透明度についても変化が起こりにくいため、長期間使用するのに適していると言えるでしょう。ただし、衝撃には比較的弱く、加工しにくいといった注意点もあります。

ガラス製水槽のメリット

  • 表面に傷が付きにくく、紫外線にも強い
  • 長期間使用しても透明度が下がりにくい
  • 高透過タイプを選べば、アクリルに遜色ない透明度も可能

ガラス製水槽のデメリット

  • 衝撃に弱く、落とすと割れる
  • 重く加工しにくいため、特殊な形状のものは製作しにくい

水槽の基本的なサイズ

普段よく目にする水槽の形状は、直方体のものが多いと思います。これは「規格水槽」というもので、文字通り規格化されたサイズです。
主なものは、以下の5つになります。

  • 45cm規格水槽(45×45×45)
  • 60cm規格水槽(60×45×45)
  • 90cm規格水槽(90×45×45)
  • 120cm規格水槽(120×45×45)
  • 180cm規格水槽(180×45×45)

上記の規格水槽は、15cmきざみで値段は変わってきます。
もちろんこれ以外にも、特注などでサイコロ状の立方体のものや円柱形のものなども制作してもらうことができます。

サイズ別の特徴・メリットデメリット

続いては、水槽のサイズ別特徴、メリットやデメリットについて確認していきます。

45cm規格水槽(45×45×45)

45cmタイプの水槽は、横幅と奥行き、高さが45cmに統一されたキューブ水槽と、横幅のみ45cmの水槽の2種類に分かれています。

どちらもコンパクトかつスペースに限りのある場所でも気軽に設置できるのが特長です。また、コンパクトなサイズながら迫力のあるアクアリウムを演出できるのが、45cm規格水槽の大きなメリットです。

一方、デメリットとしては、キューブ水槽とキューブ以外の水槽で水量に大きな違いがあるという点です。特にキューブ型でない45cm型の水槽は水量32Lと少ないため、飼育したい魚の大きさや数に合っているか慎重に確認しておく必要があります。

30cmでは小さすぎる、かといって60cmでは設置できないという方は、45cm規格水槽を検討してみてはいかがでしょうか。

60cm規格水槽(60×45×45)

60cmタイプの水槽は、横幅60cm、奥行きと高さ45cmのワイド水槽と横幅60cm、奥行き30cm、高さ36cmの規格水槽に分かれています。

60cmのワイドや規格水槽を利用するメリットは、標準規格ということでフィルターや照明設備などが充実しているという点です。水槽関連機器は、60cmの水槽を基準に生産されているので、さまざまな周辺機器を比較しながら選びたい方に利用しやすい規格といえます。

一方、大きなサイズかつ水量も多いため、掃除やメンテナンスに時間と手間がかかります。

90cm規格水槽(90×45×45)

90cmの水槽は、横幅90cm、奥行きと高さ45cmの規格水槽と横幅90cm、奥行き30cm、高さ36センチのスリム水槽に分かれているのが特徴です。

総重量200kgを超える水槽なので、本格的なアクアリウムを楽しみたい方や複雑なレイアウトを考えている方に使いやすいのがメリットの1つです。また、スピーディに成長していく水草を設置したとしてもトリミングの頻度を抑えながら鑑賞し続けられます。

デメリットとしては、機材の重量などを含めて200kgを超えるという点です。1人では搬入やセッティングすることが難しく、掃除や点検に時間がかかるという点です。他にも耐荷重をクリアした土台の上に設置する必要があるため、事前に設置環境を確認しておくのも大切です。

120cm規格水槽(120×45×45)

横幅120cmの水槽は、奥行きと高さ45センチの規格水槽、奥行きと高さ60cmのワイド水槽に分かれています。

主なメリットは、水量234Lという大容量という点や大型魚を飼育できる点、存在感のあるサイズという点です。一般的にはホテルやリゾート施設、レジャー施設などに設置されています。

一方デメリットは、一般的な住宅の床では耐えられない重量というところです。また、ホテルなどに設置したい場合でも事前に耐荷重を計算、確認しておく必要があります。

180cm規格水槽(180×60×60)

横幅180cmの水槽は、奥行きと高さ60cmという規格で統一されています。

一般的には飲食店やホテルなどのアクアリウムとして利用されているのが特徴です。また、大型魚を複数飼育できますしレイアウトの幅が広がるので、本格的なアクアリウムを導入したい事業者にメリットのあるサイズです。

一方デメリットとしては、個人で導入しにくいサイズ感と重量、そして一般住宅の耐荷重に対応していないという点です。基本的にホテルやレジャー施設など法人向けの水槽なので、個人向けではありません。

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その他の水槽

ここからは、その他形状の水槽について紹介していきます。

特注水槽

特注水槽とは、オーダーメイド型のことです。たとえば、球形や半球形、三角錐など、正方形や四角形以外の形状、超大型サイズの水槽などは、完全オーダーメイドで対応しています。

設置メリットは、住宅のデザインやスペースに合わせて設計してもらったりカラーデザインを選んでもらったりできるという点です。また、素材や板厚なども細かく調整してもらえます。製造拠点は主に国内工場で、ガラスやアクリルのいずれかから選択できます。

一方デメリットとしては統一された価格でないため、見積もり依頼しなければ確認できないという点です。また、仕様によっては予算を超える金額になる可能性があります。

円柱(丸型)水槽 

円柱水槽とは、円柱形や円筒形のことです。

主な設置メリットは、デザイン性が高く人を惹きつけるアクアリウムを作り上げられるということ、高級感を演出できることといった点を挙げられます。一方デメリットは、オーダーメイドでサイズやデザインを1から作り上げる必要があり、設置まで手間のかかるタイプという点です。

インテリアとして重厚感、高級感のある水槽が欲しい方や自社の施設にアクアリウムを作りたい事業者などは、円柱水槽も検討してみてはいかがでしょうか。

壁面埋め込み水槽

壁面埋め込み水槽は、熱帯魚水槽と関連設備を建物の壁に埋め込み、一体化させたタイプの水槽を指します。

主なメリットは、スペースを確保しながら楽しめるということ、部屋のアクセントとして適しているといった点です。また、企業の場合は、入り口付近に設置することで、華やかなイメージを演出することが可能です。

一方デメリットは、内装業者やアクアリウム業者へ依頼しなければいけないということです。また、リフォームが必要なので、標準規格の水槽を設置する場合と比較して特に手間と時間のかかる設置方法といえます。

その他の必要な機器

水槽設置に不可欠なのが水をキレイにする「ろ過装置」です。
上部式、外掛式、外部式、底面式、投げ込み式など実に様々な種類があります。水槽のサイズ対して、少々大き目の装置を設置するのが理想的です。空気を供給するエアポンプは、ろ過装置がエアポンプを兼ねるタイプがおすすめ。
また熱帯魚の場合、水温を調節するサーモスタットも欠かせません。
さらには水草の光合成や鑑賞魚の色合いを演出する照明装置も忘れてはなりません。
しかし、これらの機器については、さほど深い知識がなくても大丈夫です。
なぜなら、水槽業者が全て用意し、必要な知識を必要に応じて教えてくれるから。
そのうえでしっかり対応してくれる、実績と信頼のある業者さんを選ぶことが大切です。

水槽選びのポイント

最後に水槽選びのポイントを紹介していきます。

設置台と場所の耐荷重を確認する

水槽を選ぶ際は、設置予定場所のスペースや形状、床の耐荷重や水槽の設置台を確認する必要があります。

一般住宅とホテルなど大規模な施設では、設置可能な水槽のサイズや重量に大きな違いがあります。また、水槽の耐荷重は建物によって大きく変わるため、アクアリウム業者へ調査してもらいながら、設置場所に合った水槽のサイズや素材を探すのが大切です。

水槽の完成イメージと設備を考える

水槽の設置を考えるときは、デザインやサイズなど完成イメージを固めた上でアクアリウム業者へ相談するのが大切です。また、魚を育てるためにはヒーターやポンプ、照明設備、水草なども必要なので、水槽に合った規格の設備を調べたり魚に合った水草や木などを探しておくのも重要なポイントの1つです。

設置後の定期的なメンテナンスもお忘れなく

業務用の水槽・アクアリウムには様々なメリットがありますが、大きさや設置場所によってはお手入れが大変な場合も。
自分たちで日常的なケアはできても、物理的な経年劣化や内部環境の手入れは、下手に素人が行うとかえって状態が悪化する原因となります。
最低でも年に1回以上はプロの目によるメンテナンスをしてもらいましょう。

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まとめ

水槽を設置する場合は、小型魚や中型魚、大型魚など魚に合ったサイズの水槽を探すのが特に重要です。水槽のサイズは、魚にとって健康に生きていく上で大切です。また、水槽を設置する場所のスペースや耐荷重を調べておくことが、安全に設置・運用する上で注意すべきポイントでもあります。

アクアリウムとして楽しみたい場合は、完成イメージに沿った形状の水槽やヒーターなど関連設備の種類などを調べておくと、設置後に設備を設置できない・理想の水槽とは違うといったトラブルを避けられます。

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